FUN+WALK PROJECT

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FUN+WALKコラム歩く楽しさを伝えるコラム、続々更新中

2018.02.01

人気モデルと学ぶ歩き方教室〜疲れにくい歩き方編〜

人気モデルと学ぶ歩き方教室〜疲れにくい歩き方編〜

毎日の生活に欠かすことのできない「歩く」という行動。何気なく1日を過ごしても、気がついたら数千歩も歩いているということがあります。そんな私たちにとって身近な動作は、できるだけ効率よく取り入れたいもの。
FUN+WALK編集部がプロに聞く『調査隊シリーズ』の第1回は、タレント・中村優さんと共に、400mハードルの陸上選手として活躍し、現在はアスリートへスプリントコーチングを行う秋本真吾さんのもとを訪れました。『率のいい歩き方』はあるのか? 秋本さんに聞いたところ、意外な答えが待っていました。

元400mハードルの陸上選手で、現在はアスリートへスプリントコーチングを行う秋本真吾さん

元400mハードルの陸上選手で、現在はアスリートへスプリントコーチングを行う秋本真吾さん

タレントの中村優さん。普段から歩くことが好きで、この日も最寄り駅の1駅前で降りて歩いてきたという

タレントの中村優さん。普段から歩くことが好きで、この日も最寄り駅の1駅前で降りて歩いてきたという

かかとではなく、つま先から着地する歩き方にチャレンジ

秋本真吾さん(以下秋本):
僕の考える効率のいい歩き方は、足のつま先から着地して歩くスタイルです。大抵の人は、かかとから着地して、足の裏全体を地面について、つま先から離れる歩き方をしますが、その逆で、つま先から着地してかかとをおろす歩き方です。つま先だけを意識すると、ジャンプするように体が浮いてしまうので、その場で足踏みをしているイメージで歩いてみてください。

中村優さん(以下中村):
かかとから着地しないんですね。実際に試してみると難しいですね。不自然な歩き方になってしまいます。

つま先から地面に接地する歩き方は、その場で足踏みをするように歩くとやりやすい。慣れてくると早く歩ける

つま先から地面に接地する歩き方は、その場で足踏みをするように歩くとやりやすい。慣れてくると早く歩ける

秋本:
かかとを地面につけないで歩くとトレーニングになってしまうので、つま先から着地することを守れば、最終的に足全体を地面につけても大丈夫です。

実は、かかとから地面につく走りは膝のクッションを使うので、それを長く続けると膝に疲れが出て体の負担が大きくなるんです。つま先から地面について体の真下に足を接地させることで、疲れにくい効率の良い走りになります。400mハードルは、効率のいい走り方をしないと最後の100mで疲れて失速してしまうんです。
ゴールまで最大の力を出すために効率のいい走りをする必要があって、現役時代に普段の歩き方から変えました。

中村:
へぇー、早く走るために、普段の歩き方を変えることもあるんですね。

秋本:
速く走るのに必要な要素は、歩幅と足の回転です。速く走るために歩幅を大きくしようとして、かかとから接地すると足の回転が遅くなる。足の回転を上げるには、つま先を使って走るのが良いんです。例えば、縄跳びをする時はつま先で飛びますよね? このつま先にかかる上に飛ぶバネの力を、前へ一歩体を押し出す力に変えるんです。
一流のマラソン選手は、42.195kmを一度もかかとをつかずに走ると言われています。

中村:
マラソンを一度もかかとをつかずに走るなんて、すごいです! マラソン選手の中でも、かなり上位に入る選手たちの話ですよね。
つま先から設置する歩き方は、その場で足踏みをする感覚でやると歩きやすいですね! 「ルンルン」って歩くとスキップみたいになりますが、そのジャンプしないバージョンという感じ(笑)。慣れたら歩きやすくなってきました!

秋本:
かかとからつく歩き方だと、腰が後ろに引けてしまって、姿勢が悪くなります。また、かかとから着地すると足に力が入りにくいんです。体の中心に足をついたほうが、直接足に力が伝わる。僕は少しの移動でもだらだら歩くのではなく、つま先から着地して、自分の体を真下に下ろす感覚で歩くことを心がけています。

かかとから地面に着地すると、腰が後ろに引けて体が「くの字」になってしまう

かかとから地面に着地すると、腰が後ろに引けて体が「くの字」になってしまう

足先から地面に着地することで歩く力が足に直接伝わり、疲れにくくなる

足先から地面に着地することで歩く力が足に直接伝わり、疲れにくくなる

中村:
つま先から接地して歩くのと、かかとをついて歩くのでは、使う足の筋肉が変わりますね。

秋本:
はい。つま先で走ったり歩いたりする時は、ひざ下の筋肉を使います。一方で、かかとから接地する走り方・歩き方は足裏が地面についている時間が長くなるため、前腿の負担が大きいと言われています。足を細くしたくて走っている女性が、走り出してから脚が太くなるというのは、大抵の場合、かかとから接地する走り方をしているからです。

正しい歩きの大前提は「姿勢」

これまで正しいウォーキングについて下半身の動きを確認しましたが、上半身で注意することは何でしょうか? 腕の振り方や手の握り方など、長時間ウォーキングをする場合の注意点を聞きました。

秋本:
中村さんは姿勢がとてもきれいなので、上半身は問題ないです! そもそも姿勢が悪いと腹筋や背筋を正しく使って歩けなくなるので、姿勢の良さは正しい歩き方の大前提です。自分が焼き鳥の串になった感覚で、体の中心にある軸を意識すると良い姿勢が保てます。体の中でも頭はとても重いので、意識していないと頭だけ前に倒れるんです。体の上に頭を乗せている感覚で、前に倒れないように気をつけてください。

中村:
もうひとつ、秋本さんの歩きを見ていると、腕の振り方が大きいように思います。それも意識してやっているのですか?

秋本:
僕の大きな腕振りは、現役時代の癖もありますが(笑)、ウォーキングでも腕の振りは大切だと思います。腕が後ろにいったときに伸びてしまうと早く振れなくなるので、肘が伸びないようにしてください。あと、肩をゆすって歩くと姿勢が崩れるので、肩を前後せず歩くのも大事です。よく手を握るべきか開くべきかと聞かれますが、力が入りすぎないように注意すればどっちでも大丈夫です。

このように肩を前後にゆすって歩くと姿勢が崩れてしまう。肩は正面を向いてまっすぐ歩くのがいい

このように肩を前後にゆすって歩くと姿勢が崩れてしまう。肩は正面を向いてまっすぐ歩くのがいい

腕が後ろにいった時に肘が伸びきっていると早く振れなくなるため、肘は曲げておく

腕が後ろにいった時に肘が伸びきっていると早く振れなくなるため、肘は曲げておく

これが正しい腕振り。力が入りすぎない程度に手を握り、軽く肘を後ろにひく

これが正しい腕振り。力が入りすぎない程度に手を握り、軽く肘を後ろにひく

「きれいになる」「美しく振舞う」という目的を持って歩いてみる

秋本:
長く走っているランナーは、体に染み付いた走り方でずっと走る人が多いのですが、例えば次の10kmは姿勢を意識してみようとか、腕振りを大きくしてみようなど、目標を設定して歩くと気分が変わります。歩くのも同じで、自分に合った歩き方をしているという人も、これまでに伝えたつま先から接地する新しい歩き方をやってみてください。正しいフォームで歩くと、体の動きがきれいに美しくなるので、歩くことが楽しくなると思います。

中村:
これまで、歩くことと走ることを一緒に考えたことなかったので、走る技術が効果的な歩きに繋がるのは発見でした。最初は、つま先から接地するのが難しかったけれど、慣れると簡単なので、日常の歩きに取り入れてみようと思います。

中村さんの言う通り、最初は不自然に感じるつま先から着地する歩き方ですが、慣れてくると速く歩けるようになります。姿勢が良くなるし、腹筋を使っているのが分かる歩き方でもあります。皆さんもぜひ、実践してみてください!

      

●秋本真吾

1982年生まれ、福島県大熊町出身。2012年まで400mハードルの陸上選手として活躍。オリンピック強化指定選手にも選出される。当時、特殊種目200mハードルではアジア最高記録・日本最高記録を樹立した。2016年全日本マスターズ陸上競技選手権において100mで優勝。現在はスプリントコーチとしてプロ野球球団選手、Jリーグクラブ所属選手など多くのスポーツ選手へ走り方指導を展開している。

●中村優

1987年生まれ、奈良県奈良市出身。ミスマガジン2005審査員特別賞を受賞しタレントデビュー。2006年から『王様のブランチ』の「ブランチリポーター」をつとめるなどタレント業を行う。フルマラソン出場22回、60km×2回、82km、100km×2回、全て完走。「笑顔で楽しく走る!無理をしない!」がモットー。

 

取材・文:石川歩 写真:野呂美帆

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